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NZのワイン産地『Central Otago』旅行記・後編


今回は訪れたワイナリーを中心に 3つの違った地域のピノを紹介していきます。

まずは、クイーンズタウンから20分〜30分ほど車で走ると最初の大きな産地"Gibbston"があります。

ここで派手さはないですが、センス良く建てられたワインセラーを持つワイナリー"Peregrine(ペレグリン)に出会えます。

Peregrineは鳥のハヤブサを意味し、そのワイナリーの建物もハヤブサが羽根を広げたイメージで出来ており、建物自体が建築賞を取ってます。

中に入ると、近代的な造りのセラーながら整然と並べられたワイン樽が圧巻で、セラードアーから一段降りると、そのワイン樽の中を歩く事ができます、実際に醸造で使われた樽でヴィンテージやぶどう品種も記載され、趣きがあります。

人気ワイナリーとあって、訪れる人も多いのですが、スタッフの気配りも良く、ゆっくり落ち着いて、丁寧なワインテースティングが出来ます。

白ワインでは、リースリングが印象深く、爽やかにドライで微かに甘みも感じる味は魅力的です。

赤ワインは造り方や畑の違う数種類のピノがあります。

私が気に入ったワインは、Gibbston, Bendigo, Pisaと異なった3つのヴィンヤード (畑) から、ぶどうが集められたピノでした。(ヴィンテージは2015) 何れのピノもスムーズな味わいに仕上げられ、程よい酸味が特徴で幅広く受け入れられるワインです。

合わせる料理は、軽く酸味の効いた生ハムとロケット菜 (ルッコラ) に胡桃とパルメザンチーズ、シェリービネガーのドレッシング!

ですかねー、そこに洋ナシやイチヂク、ドライフルーツ等を合わせるのも楽しいです。

味わいのあるワインですが、主張され過ぎてないので、前菜から飲んでも良い、懐の深いピノです。

この先数々のワイナリーを訪れる予定での最初のワイナリーでワインを購入するのは勇気が要りましたが、思わず購入!(笑)良かったです!

次に"Bannockburn"地区のワイナリー"Carrick"の紹介です。

Bannockburn 地区はFelton road や Mt.Difficulty 等、有名ワイナリーが多くあります。

今回は上記も含め5軒程訪れました。

その中で特に"Carrick"が素晴らしく、クイーンズタウン滞在中に、レストランやバーで何度も飲みました!

ひっそりとした佇まいのワイナリーですが、レストランやパーティールームも有り、我々が伺った時にもウエディングをしてました。

セラードアーはシンプルな造りですが、ここでも親切に丁寧にテースティングさせてもらえました。

白ワインではシャルドネが良く、ドライでありながらふくよかな広がりがあり、美味しく思えました。

赤ワインはここでもピノがほとんどで、数種類の違ったピノを醸造してます。

Carrick は自然派を意識し、オーガニックに近い製法で造られてる事もあり、生産本数は少なめです。

私が気に入った"Carrick The Magnetic Pinot noir2016"はその中でも数が少なく、原則ワイナリーでの直接販売のみです。

オーガニックには興味がありながら、なかなか良いワインに出会えず、個人的にはオーガニックワインは好きでなかったのですが、

"Carrick"がオーガニックと説明を受け、正直驚きました。

色はしっかりとした鮮やかなバラ色で、香りも芳醇でベリーとどことなくチョコレートを感じさせるものがあります。

テーストもこの地で出来るピノらしく、どっしりとした味わいです。

たいへんバランス良く、ピノのぶどうの良さを引き出しており、どっしりしながら、旨味であるピノの甘さが全体を上手くまとめ上げてます。真面目にワイン造りがされてるのが伝わって来ました。

合わせる料理はピノには定番の鴨やじっくり煮込んだ"牛頬肉のシチュー"も良いでしょう。

ワイナリーを訪れる時は、キッチン付の宿を利用する事が多く、今回も同様、気に入ったワインを購入し、宿で簡単にワインに合う料理を楽しみました。この"Carrick"にはニュージーランド特産のラム肉のグリルを合わせましたが、旅先で材料も限られる中、ハーブ数種類で味付け、シンプルにグリルしレモンとオリーブオイルのソースで仕上げましたが、格別でした。

ハーブは宿やワイナリーの周りに自生しているものを拝借します(笑)これがまた楽しいんです!

宿によりますが、レモンやトマトがあったりもします。

この後、周辺の名だたるワイナリーも行きましたが、"Carrick"が良かったので、他はさほど印象に残りませんでした……。

3つ目に紹介するワイナリーは"Bendigo"地区からです。

この地区に、行きたいワイナリーがあったのですが、休息日で閉まっていたため、残念な思いをしたのですが、近くを散策してる中、見知らぬワイナリーを見つけ、そこを訪れることにしました。

まだ新しいワイナリーでそれ程認知もされてませんし、大きなセラードアーがある分けではなく、自宅兼ワインセラーですが、こういったワイナリーを見つける事も旅の楽しさで、新たな発見が気持ちを高揚させてくれます。

名前は"Mondillo" アメリカから来られた方が醸造されてる、完全個人経営のワイナリーです。確か彼の名前が Domenic Mondillo だったと思います。奥様はニュージーランドの方です。

表札程度の看板しかなく入り口の、農園にある様なフェンスのチェーンを自分で外し中に入って行きます。

すると先ずはウエルカムドッグのお出迎え、人懐っこい可愛いワンちゃんです。まずテラスがありその後ろに自宅兼ドアーセラーがあるのですが、テラスには大きなチェスゲームの置物に立派なピザ窯があり、樽がテーブル代わりに置かれてます。その背景は雪山を奥に見ながらの壮大なぶどう畑が広がってます。

おそらく彼とファミリー&ワンちゃんはここで自作の美味しいワインと壮大な景色を楽しんで、チェスをしながらピザ窯から焼き立てのピザを頬張ってるのでしょう。

中で出迎えてくれた彼はたいへん愛想がよく、アメリカの方らしく陽気な人柄です。気配りも素晴らしく、少しテースティング疲れを見せていた女性群に、"まずはコーヒー入れようか"と、エスプレッソマシンでサッとコーヒーを出してくれました。嬉しいですよね!

彼のバックグラウンドやワイナリーについて軽く説明を受けて、少し落ち着いてからテースティングが始まりました。

ぶどうはピノ・ノワールとリースリングの2種類だけで、いさぎ良さを感じました。

それらから、白のリースリング、100%ピノから造るロゼ、遅積みのスイートリースリング、赤のピノ・ノワールは2種で合計5種類のワインを造ってます。

リースリングも切れ味良く、また芳醇な味わいでかなり良いできで、ロゼは華やかな飲みやすいワインでお昼から美味しいサンドウィッチと合わせてみたくなりました。遅積みリースリングはデザートワインとして最高で、しっとりしてますがフレッシュ感があり後味の良い甘口ワインです。

いよいよピノ・ノワールです。

彼の人柄が良く出ていて、明るく楽しいピノでありながら、芯はしっかり"ピノ・ノワール"で色も明るい透明感のあるバラ色。

香りは芳醇で余韻があり、テーストは口の中での広がりが素晴らしく、ピノの特徴である、酸味と甘味のバランスが絶妙でした。(ヴィンテージは2015)

合わせる料理は………窓から見える"ピザ窯"で焼いたマルガリータピザでしょう!

仲良くなって、景色を眺めながら美味しいワインとピザを楽しみたいです。いつかは!!きっとピザ窯で焼いた鴨や地元の野菜も美味しいことでしょう。

今回のクイーンズタウン~セントラルオタゴの旅は、クイーンズタウン計4泊、セントラルオタゴ2泊と言う行程でしたが、クイーンズタウンからセントラルオタゴのワイン群は日帰りでも行けます。

空港からメインの街中まで近い事もあり、週末を利用し、2泊3日や3泊4日ぐらいでも、クイーンズタウン&セントラルオタゴを楽しめます。

オーストラリア旅行でゴールドコーストを訪れた際に国内のシドニーやメルボルンへ旅するのも良いですが、思い切ってクイーンズタウンまで足を延ばすのも、貴重な体験ができ良いですよ!

締めくくりに今回の旅で上記以外の印象に残ったワインを並べておきます。

"Amisfield ·RKV·Pinot Noir”

"Wooing Tree Pinot Noir"

"Prophet's Rock Dry Riesling"

"Cloudy Bay Te Wahi Pinot Noir"

(Cloudy Bay は元来同じNZでもMarlborough地区がメインですが、近年セントラルオタゴでもワイン造りを始めました。ここのブティックスタイルのワインセラーが格好良く、最新ブティックテースティングが楽しめます!)

"Quartz Reef Methode Traditionnelle vintage 2013" (シャンパン以外のスパークリングはほとんど飲まないのですが、このスパークリングは秀逸でした)

次回からはなるべく早く記事を更新するはつもりですが、文才も無くついつい時間だけが過ぎて行きます、皆様気長にお待ち下さい。

よろしくお願いします。

By Yasu


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